『興夫があまりにも紆余曲折が多いキャラクターなので体力より心理的に大変でした。兄ノルブの懐かしさから始まり、悟りを与えるチョ･ヒョクに対する感情、弟子に対する感情、映画に対する私の感情が絡み合っている。興夫がその人たちを一人ずつ経ていくという表現が正しいでしょうか。少しずつ他の感情を表現しなければならず簡単ではなかった』

チョンウは『シナリオを見て想像していたよりも難しい作品だった。あまりにも簡単に考えたようだ。自分の底を見た』とひときわ謙虚に語った。『キム・ジュヒョク先輩が出演するという話を聞いて挑戦する勇気を得た』と述べた。

映画は昨年夏に撮影をし、キム・ジュヒョクはその秋に亡くなった。貧民村で民衆の世話をしようと真っ黒に日焼けした顔で“いつも夢を見ていろ”と諭すチョ･ヒョクの姿に現実のキム・ジュヒョクが妙に重なる。チョンウは「興夫」のキム・ジュヒョクを前日の試写会で初めて見た。

『まともな精神で映画を見るのが容易ではなかった。映画に集中することができませんでした。チョ・ヒョクが興夫に話すセリフが、先輩が私に話す言葉のようでした。』「興夫」は私にとって作品以上の意味がある気がします。先輩と一緒に出演した作品なので、特別な感じです。』